根付

 根付は着物から洋服の生活スタイルの変革が始まった明治維新以降、携行品は懐、帯下からポケットに納めることで、やや姿を消したかに思えた。
 留め具の視点でなく、すばらしい技巧の作品が海外の趣味人の収集の的となった。
 現在、海外にも根付作家がおられ併せてオークションにも参加しておられる。
 左図は黄楊、鉄木、象牙、マンモス牙、竹 等の素材に彫られた根付で、中国雑貨、骨董店で売られている。

 鼻煙壺は欧米ではSnuff Bottleと言われ、嗅ぎタバコを入れる容器です。鼻煙壷について、その使用法は容器内の嗅ぎタバコを蓋に挿した楊枝(金属製が多い)の 先5mm大の小さなさじでとり、手にのせ鼻腔に擦り込む無煙タバコ方式です。 今日、本来の機能より手工芸品としての芸術性が人気となっている。
 素材はガラス、陶磁器、天然石、象牙、金属。   加工技法は
  内絵(内画)技法:ガラスの容器内に内面より書、絵を描く。
  粉彩画:ガラス、陶磁器に粉彩で描き、低温焼成し肉厚の絵付けが可能。七宝焼きに通ずる。
  ガラス彫刻:二種以上のガラスを被せ、花鳥等をカメオ風に彫刻。
  天然石彫刻:メノウ、翡翠(玉)、虎目石等の彫刻。
  彫金:金属(金、銀、銅合金)板に模様打ち出し加工。
  染付:磁器に水墨画をコバルト釉薬で描写後焼成。 
  型押(圧印)加工:金属板、粘土板は文様等の成形後焼成。
 作品は小さいが製作には技術を極め、精緻で見ごたえがある。 今回は特別に根付と同様に掌中の芸術品として、中国で作られた鼻煙壷をとりあげた。